20代におすすめの医療保険は?―必要性と選び方をわかりやすく解説―

20代の医療保険は、全員が急いで入るものではありません。ただ、貯蓄が少ない方、入院中の収入減が不安な方、将来の妊娠・出産を考えている方は、早めに検討しておくと安心です。

この記事では、公的医療保険との違いから、20代に合う保障の選び方まで分かりやすく解説します。

この記事でわかること 3点

  1. 20代で医療保険を検討した方がよい人・不要な場合
  2. 公的医療保険と民間の医療保険の役割の違い
  3. 20代に合う医療保険の選び方と相談前の確認ポイント

20代に医療保険は必要?まずは結論から

20代の医療保険は、「入るべきか」よりも「自分の家計で入院や手術などの医療費に対応できるか」で考えると判断しやすくなります。

病気やケガのリスクは、年齢が若いほど低い傾向があります。そのため、十分な貯蓄があり、会社の福利厚生も手厚い方なら、急いで医療保険に入らなくてもよい場合があります。

一方で、貯蓄が少ない方や一人暮らしの方は、数日から数週間の入院でも家計に影響が出ることがあります。家賃、スマートフォン代、奨学金返済、クレジットカードの支払いなどは、入院中でも止まりません。

たとえば、毎月の手取りが20万円前後で、貯蓄が10万円ほどしかない方が入院した場合、医療費そのものよりも「今月の家賃をどう払うか」「給料が減ったら生活費が足りるか」という不安が先に出てきます。

医療保険は、そうした不安を軽くするための備えです。20代では、保険料を抑えながら、入院・手術などの基本保障を持つという考え方が現実的です。

20代でも医療保険を検討した方がよい人

次のような方は、20代でも医療保険を検討しておくと、いざという時安心かもしれません。

  • 貯蓄が生活費の3か月分より少ない
  • 一人暮らしで、入院中に頼れる家族が近くにいない
  • 有給休暇が少なく、休むと収入が減りやすい
  • 自営業・フリーランスとして働いている
  • 将来の妊娠・出産を考えている
  • 健康なうちに加入し、選択肢を広げておきたい

特に一人暮らしの方は、入院中の洗濯代、交通費、日用品代なども自分で負担します。医療費だけを見て「何とかなる」と考えると、退院後の生活費で困ることがあります。

また、健康状態によっては医療保険に加入できなかったり、保障に条件が付いたりする場合があります。若くて健康な時期は、比較しやすいタイミングでもあります。

20代で医療保険が不要な場合もある

反対に、次のような方は、急いで医療保険に入らなくてもよいかもしれません。

  • 生活費の6か月分以上の貯蓄がある
  • 勤務先の福利厚生や休職制度が手厚い
  • 親や家族から経済的な支援を受けられる
  • まずは借入返済や生活防衛資金づくりを優先したい
  • 保険料を払うと毎月の生活が苦しくなる

保険は、家計を守るために入るものです。保険料の支払いで毎月赤字になるなら、先に固定費の見直しや貯蓄づくりを進めた方がよいケースもあります。

「親にすすめられたから」「友人が入っているから」だけで決めず、自分の家計と働き方に合わせて考えましょう。

判断に迷う人は「医療費・収入減・生活費」で考える

医療保険が必要か迷ったら、次の3つを確認してください。

  1. 入院や手術の自己負担を払えるか
  2. 休職中に給料が減っても生活費を払えるか
  3. 退院後の通院費や日用品代まで準備できるか

▼20代の医療保険必要度チェックリスト

3つ以上当てはまる方は、医療保険を備えておくと、一定の資金不足を補填できます。

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公的医療保険があるのに民間の医療保険は必要?

日本には公的医療保険があり、病院で支払う医療費の自己負担は原則として一部に抑えられます。さらに、医療費が高額になった場合は、高額療養費制度によって自己負担額が一定の範囲に収まる仕組みがあります。

そのため、「公的医療保険があるなら、民間の医療保険はいらないのでは」と考える方もいます。この考え方は、半分は正しいです。医療費だけを見れば、公的制度で大きく守られています。

ただし、民間の医療保険が役立つ場面は、医療費そのものだけではありません。入院中の差額ベッド代、病院までの交通費、食事代の一部、日用品代、退院後の通院費、休職中の収入減などは、家計に直接響きます。

つまり、民間の医療保険は、公的医療保険でまかなえない出費や収入減を補うための備えとして考えると分かりやすくなります。

高額療養費制度で医療費の自己負担は抑えられる

高額療養費制度は、1か月の医療費の自己負担が大きくなったとき、年齢や所得に応じた上限額を超えた分が支給される制度です。詳細は厚生労働省の公式ホームページで確認できます。

たとえば、手術や入院で医療費が大きくなっても、制度の対象になれば、自己負担は制度で定められた金額を支払えばよい事となっています。

ただし、制度の対象外になる費用もあります。差額ベッド代、先進医療の技術料、入院中の日用品代、交通費などは、原則として別に考える必要があります。

民間医療保険で備えやすい費用

民間医療保険では、主に次のような費用に備えやすくなります。

  • 入院・手術等、公的医療の自己負担
  • 差額ベット代
  • 入院中の日用品代
  • 家族の交通費
  • 退院後の通院費
  • 休職中の生活費不足

▼公的医療保険と民間医療保険の役割分担

公的制度は医療費を守る仕組み、民間保険は公的保険の不足を補填し、家計全体を支える仕組みと考えると、自分に必要な保障を考えやすくなります。

「公的保障があるから不要」と決める前に確認したいこと

医療保険が必要か判断する前に、次の項目を確認しましょう。

  • 医療費の自己負担を払えるだけの貯蓄があるか
  • 入院中の家賃や固定費を払えるか
  • 休職時に給料がどのくらい減るか
  • 勤務先に休職制度や見舞金制度があるか
  • 家族に経済的な負担をかけずに済むか

相談の現場では、「医療費そのものより、入院中に収入が減るのが不安」という声をよく聞きます。公的制度を確認したうえで、不足しそうな部分だけ民間保険で補うと、保険料のかけすぎを防ぎやすくなります。

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20代の医療保険料はいくらが目安?無理なく続ける考え方

20代の医療保険料は、年齢、性別、保障内容、保険期間、健康状態によって変わります。広告等で見る保障だけを基準に加入すると、自分に必要な保障が足りなかったり、反対に保障を付けすぎて保険料が負担になったりすることがあります。

医療保険を考えるときは、月額保険料を「毎月必ず出ていく固定費」として見ることが欠かせません。

たとえば、月2,000円の保険料なら年間で24,000円、10年で240,000円です。月5,000円なら年間60,000円、10年で600,000円になります。金額だけを見ると小さく感じても、長く続けると、保険料の総額は続けるほど大きくなります。

20代では、手厚い保障を最初から全部そろえるよりも、入院・手術などの基本保障を中心にして、ライフイベントに合わせて見直す方が合理的です。

20代は保険料を抑えやすい傾向がある

一般的に、医療保険は年齢が若いほど保険料を抑えやすい傾向があります。また、健康状態が良い時期は、加入できる商品や選べる保障の幅も広がりやすくなります。

ただし、「若いから安い」という理由だけで入る必要はありません。月々の保険料が安くても、自分の不安に合わない保障なら、いざというときに役立たない可能性があるからです。

月額保険料は「固定費」として無理なく払える範囲にする

医療保険料を考えるときは、次の支出と一緒に見てください。

  • 家賃
  • 食費
  • 通信費
  • 奨学金返済
  • 交通費
  • 貯蓄
  • 交際費
  • 将来の結婚・出産資金

▼20代の家計と保険料のバランス表

「払える金額」ではなく、「払い続けても生活が苦しくならない金額」で考えましょう。

保険料を安くしすぎる・高くしすぎるリスク

保険料を安くしすぎると、入院日額が少なかったり、手術給付金が十分でなかったりする場合があります。反対に、特約をたくさん付けると、毎月の負担が大きくなり、途中で解約したくなるかもしれません。

20代では、まず基本保障で始めて、結婚、出産、転職、独立などのタイミングで見直す流れが理想的です。

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20代におすすめの医療保険タイプとは?

20代が医療保険を選ぶときは、先に保険のタイプを理解しておくとよいでしょう。主な選択肢は、掛け捨て型・貯蓄型、終身医療保険・定期医療保険です。

どのタイプが合うかは、保険料を抑えたいのか、一生涯の保障を持ちたいのか、将来見直す前提で考えるのかによって変わります。

掛け捨て型は保険料を抑えたい人に向きやすい

掛け捨て型は、貯蓄性を持たせない分、保険料を抑えやすいタイプです。20代で「まずは最低限の備えを持ちたい」「毎月の固定費を増やしたくない」という方に向いています。

解約しても戻ってくるお金は少ない、または全くない場合が多くなります。

貯蓄医療保険は60歳や70歳までといった一定の年齢まで契約を継続した場合、60歳や70歳に到達した時点で、それまで支払った保険料の大半かすべてを払い戻してくれる商品があります。また、5年ごとや10年ごとなど、一定期間の経過ごとに支払った保険料の一部を、お祝い金として返還してくれる商品もあります。ただし、払い戻しには一定の条件がある場合が多いので、加入前にしっかり確認しておくことが必要です。

貯蓄型の医療保険は掛け捨ての医療保険に比べ、貯蓄性があるぶん、同等の保障内容で保険料をくらべた場合、割高になる傾向です。

終身医療保険は一生涯の保障を持ちたい人向け

終身医療保険は、保障が一生涯続くタイプです。若いうちに加入すると、保険料が加入時の年齢で固定される商品が多くあります。

ただし、医療技術や入院事情は時代とともに変わります。20代で入った内容が、40代、50代になっても自分に合っているとは限りません。終身タイプを選ぶ場合でも、「入ったら終わり」ではなく、数年ごとの見直しを前提にしましょう。

20代は「基本保障+必要な特約」で考える

20代では、まず次の基本的な保障を確認しましょう。

  • 入院給付金
  • 手術給付金

そのうえで、必要に応じて必要な特約を検討します。

  • 入院一時金
  • 先進医療特約
  • 女性疾病特約
  • 通院保障
  • 払込免除特約

▼一般的な掛け捨て型・終身医療保険・特約の一覧表

特約は、たくさん付ければ安心というものではないので、保険料の総額を確認しながら、自分に必要なリスクや、不安を感じる点から順番に考えると選びやすくなります。

20代の状況別おすすめの選び方

同じ20代でも、独身か既婚か、会社員か自営業か、男性か女性かによって、必要な保障は変わります。ここでは、よくある状況別に考え方を整理します。

20代独身は「最低限の医療費と収入減」に備える

20代独身の方は、家族への死亡保障よりも、まず自分の医療費と生活費を考えましょう。

特に一人暮らしの場合、入院中でも家賃や光熱費、通信費は発生します。実家暮らしの方よりも、生活費の負担が重くなりやすい点に注意が必要です。

基本的な考え方は、入院・手術の基本保障を持ち、保険料は抑えることです。貯蓄が増えてきたら、保障内容を見直してもよいでしょう。

20代女性は妊娠・出産前の加入タイミングに注意

20代女性の場合、妊娠・出産を将来考えているなら、医療保険の加入タイミングを早めに確認しておきたいところです。

妊娠後に医療保険へ申し込むと、加入できなかったり、妊娠・出産に関する保障に条件が付いたりする場合があります。帝王切開や切迫早産などが気になる方は、妊娠前に保障内容を確認しておくと安心です。

女性疾病特約は、女性特有の病気への上乗せ保障です。ただし、必ず付けるべきものではありません。保険料とのバランスを見ながら、子宮、卵巣、乳房に関する病気への備えをどこまで持ちたいかで判断しましょう。

20代男性は安さだけでなく働けない期間も考える

20代男性は、保険料の安さを重視して選ぶ方も多いです。もちろん、固定費を抑える視点は必要です。ただ、働けない期間の生活費も忘れてはいけません。

たとえば、けがで手術をして数週間仕事を休むと、職種や雇用体系によっては収入が減る場合があります。一人暮らしなら、家賃や食費も自分で払わなければなりません。

入院給付金や手術給付金を中心に、働けない期間をどう乗り切るかまで考えると、保障内容を決めやすくなります。

会社員は傷病手当金、自営業・フリーランスは収入減に注意

会社員の方は、健康保険の傷病手当金を受け取れる場合があります。傷病手当金は、病気やケガで仕事を休み、給与が支払われないときに生活を支える制度です。

一方、自営業やフリーランスの方は、会社員と同じような傷病手当金がないケースが多くなります。働けない期間がそのまま収入減につながるため、医療費だけでなく生活費への備えも考えておきたいところです。

▼会社員・自営業・フリーランス別の備え方

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20代が医療保険を選ぶときの5ステップ

医療保険は、いきなり商品を比べると迷いやすくなります。先に自分の家計と制度を整理してから、保障内容を選びましょう。

Step1|貯蓄と毎月の固定費を確認する

最初に、今の貯蓄額と毎月の固定費を確認します。

家賃、通信費、奨学金返済、サブスク、クレジットカードの支払いなどを書き出してください。入院しても支払いが続く費用が見えてきます。

Step2|公的保障と勤務先の福利厚生を確認する

次に、公的医療保険、高額療養費制度、勤務先の休職制度、傷病手当金、見舞金制度などを確認します。

会社員の方は、勤務先の就業規則や福利厚生の資料を見てみましょう。制度が手厚い場合、民間の医療保険は最低限で済むことがあります。

Step3|入院・手術・先進医療の基本保障を決める

医療保険の中心は、入院給付金と手術給付金です。先進医療特約は、保険料が比較的少額で付けられる商品が多いですが、対象となる治療や医療機関は限られます。どんなときに給付されるのかを確認しましょう。

Step4|女性疾病・通院保障などの特約を選ぶ

基本保障を決めたあとに、特約を考えます。女性疾病特約、通院保障、三大疾病保障、払込免除特約などがありますが、すべて付けると保険料が上がります。自分が一番不安に感じているリスクから優先順位を付けてください。

Step5|ライフイベントごとに見直す

20代は、生活が大きく変わりやすい時期です。

  • 結婚
  • 妊娠・出産
  • 転職
  • 独立
  • 引越し
  • 収入の変化

こうしたタイミングで、必要な保障も変わります。加入時に完璧な内容を目指すより、今の生活に合う保障を選び、変化に合わせて見直す方が続けやすくなります。

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医療保険に入る前に確認したい注意点

医療保険を選ぶときは、保険料や給付金額だけでなく、加入条件や保障開始のタイミングも確認しましょう。思っていた保障が受けられないと、いざというときに困ります。

健康状態によって加入できない場合がある

医療保険に申し込むときは、健康状態について告知します。

  • 過去の病歴
  • 現在の通院状況
  • 服薬の有無
  • 健康診断の結果
  • 手術歴

これらの内容によって、加入できるかどうかや、保障に条件が付くかどうかが変わる場合があります。告知内容に不安がある方は、自己判断で省略せず、相談時に正確に伝えてください。

保険相談では、次の情報を伝えると話が進みやすくなります。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 20代で医療保険に入っていない人は多いですか?

20代では、まだ医療保険を検討していない方もいます。加入状況は性別、働き方、家族構成、収入によって差があります。周りが入っているかどうかより、自分の貯蓄と休職時の収入を確認して判断しましょう。

Q2. 20代独身でも医療保険は必要ですか?

独身でも、貯蓄が少ない方や一人暮らしの方は検討する価値があります。入院中でも家賃や通信費は発生します。家族への死亡保障よりも、まず自分の医療費と生活費を守る保障から考えてください。

Q3. 20代女性は医療保険に早めに入るべきですか?

将来の妊娠・出産を考えている方は、早めに保障内容を確認しておくと安心です。妊娠後は、加入条件や保障内容に制限が出る場合があります。女性疾病特約が必要かどうかも、保険料とあわせて比べましょう。

Q4. 高額療養費制度があれば医療保険はいらないですか?

高額療養費制度により、医療費の自己負担は抑えられます。ただし、差額ベッド代、交通費、日用品代、収入減などは別に備える必要があります。貯蓄で対応できるかを確認してから判断しましょう。

Q5. 先進医療特約は付けた方がよいですか?

先進医療特約は、公的医療保険の対象外となる先進医療の技術料に備える特約です。保険料が比較的少額で付けられる商品が多いですが、対象となる治療法や対応する医療機関は限られます。内容を確認して判断してください。

まとめ|20代の医療保険は「必要性」と「続けやすさ」で選ぼう

20代の医療保険は、全員が同じように入るものではありません。まずは、貯蓄、働き方、家族の支援、勤務先の制度を確認しましょう。

そのうえで、公的医療保険だけでは不安が残る部分があるか、民間の医療保険で補う必要があるかを考えると、要不要を含め、保険を検討しやすくなります。

「自分に医療保険が必要か分からない」「保険料をどこまで抑えればよいか迷う」という方は、複数社を比較しながら相談してみましょう。今の家計と将来のライフイベントに合わせて考えを整理できます。

参考文献

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