離婚時の保険はどうする?―受取人・名義変更・子どもの保障を解説―

離婚をすると、住まいやお金の管理だけでなく、保険の見直しも必要になります。まず確認したいのは、契約者・被保険者・保険金受取人・保険料を払う人 の4つです。生命保険、学資保険、健康保険を順番に整理すれば、子どもの保障や離婚後の家計を守りながら手続きを進められます。
この記事でわかること 3点
- 離婚時に確認する保険の種類と名義
- 生命保険・学資保険・健康保険の手続きと注意点
- 子どもの保障を守りながら保険料を見直す方法
目次
離婚時の保険はまず「名義」と「保障内容」を確認する
離婚の前後は、決めることが一気に増えます。引っ越し、子どもの学校、養育費、銀行口座の変更などに追われ、保険はつい後回しになりがちです。
ただ、保険をそのままにしておくと、あとで困ることがあります。たとえば、生命保険の受取人が元配偶者のままだったり、子どもの学資保険を誰が管理するのか決まっていなかったりするケースです。
最初に見るべき項目は、次の4つです。

▼契約者・被保険者・保険金受取人・保険料を払う人の関係図

たとえば、夫が契約者、妻が被保険者、夫が保険金受取人という契約もあります。この状態で離婚すると、妻は自分の保険なのに契約内容を変更できない場合があります。万が一のときに、元夫へ保険金が支払われる可能性もあります。保険には、公的保険 と 民間保険 があります。公的保険は健康保険や国民健康保険など、病院にかかるときに関係する制度です。民間保険は、生命保険、医療保険、学資保険、自動車保険など、保険会社と契約するものです。同じ「保険」でも、手続き先が違います。まずは公的保険と民間保険を分けて考えると、何から確認すればよいか分かりやすくなります。
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離婚時に確認すべき保険一覧
離婚時に確認する保険は、生命保険だけではありません。子どもがいる家庭では、学資保険や健康保険の確認も欠かせません。車や持ち家がある場合は、自動車保険や火災保険も見ておきましょう。

優先順位をつけるなら、まずは 健康保険、子どもの保障、生命保険の受取人 から確認してください。
健康保険は、病院を受診するときにすぐ関係します。子どもの保障や学資保険は、医療費や教育費の備えに関わります。生命保険の受取人は、離婚後も自動で変わるとは限らないため、放置すると意図しない相手に保険金が渡る可能性があります。
「保険料が高いから全部やめたい」と感じる方もいるかもしれません。ただ、解約する前に、保険証券を並べて 残す保障 と 見直す保障 を分けてください。子どもの教育費に関わる保障や、自分が病気で働けないときの備えまでなくすと、離婚後の生活が不安定になることがあります。
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生命保険は受取人・契約者・解約返戻金を確認する
生命保険で最初に確認したいのは、保険金受取人 です。
離婚届を出しても、生命保険の受取人が自動的に変わるとは限りません。受取人が元配偶者のままだと、自分に万が一のことがあったとき、保険金が元配偶者へ支払われる可能性があります。
保険金受取人が元配偶者のままになっていないか
保険証券、契約者向けのWebページ、保険会社への問い合わせで受取人を確認できます。見方が分からないときは、保険会社に「現在の受取人を確認したい」と伝えれば案内してもらえます。
受取人を変更したい場合は、保険会社所定の手続きが必要です。書類の提出や本人確認が必要になることがあります。
子どもを受取人にしたいと考える方もいます。ただし、子どもが未成年の場合、保険金の受け取りや管理で別の手続きが関係する場合があります。保険会社に「未成年の子どもを受取人にする場合の注意点」を確認してから進めてください。
契約者変更が必要になるケース
契約者は、保険契約を管理する人です。住所変更、受取人変更、解約などの手続きは、基本的に契約者が行います。
たとえば、元配偶者が契約者で、自分や子どもが保障の対象になっている契約では、離婚後に自分で手続きができない場合があります。保険を続けたいなら、契約者変更ができるかを保険会社へ確認しましょう。
契約者変更には、現在の契約者の同意が必要になることがあります。離婚協議の中で、保険を誰が管理するのか、保険料を誰が払うのかを話し合っておくと、後日のトラブルを減らせます。
解約返戻金がある保険は財産分与に注意
生命保険の中には、解約するとお金が戻るタイプがあります。このお金を 解約返戻金 といいます。
貯蓄性のある保険で解約返戻金がある場合、離婚時の財産分与で検討される可能性があります。対象になるかどうかは、加入時期、保険料を払った時期、契約内容によって変わります。
たとえば、婚姻中に夫婦の収入から保険料を支払っていた場合、解約返戻金を夫婦の財産として考える場面があります。一方で、独身時代から加入していた保険や、親から受け取ったお金で保険料を払っていた保険では、扱いが異なる可能性があります。
金額が大きい場合や、相手と意見が分かれている場合は、先に弁護士へ相談してください。保険会社は契約内容や解約返戻金を確認できますが、財産分与の判断までは行えません。
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学資保険は子どもの教育資金を守る視点で考える
学資保険は、離婚時に判断が難しい保険のひとつです。夫婦の財産として見る面もありますが、本来の目的は 子どもの教育資金を準備すること です。
保険料の負担だけを見て解約すると、進学時に予定していたお金が足りなくなる場合があります。まずは、契約内容と今後の支払いを確認しましょう。
学資保険を解約する前に確認すること
学資保険を解約すると、将来受け取る予定だった満期保険金がなくなります。さらに、解約返戻金がこれまで払った保険料より少ない場合もあります。
最初に確認したい項目は次のとおりです。

契約者変更を検討したいケース
元配偶者が契約者で、親権者が子どもの教育費を管理したい場合、学資保険の契約者変更を検討することがあります。
ただし、契約者変更ができるかどうかは、保険会社や契約内容によって異なります。現在の契約者の同意が必要になるケースもあります。
離婚協議書を作成する場合は、学資保険について次の内容を入れるか検討してください。
- 誰が保険料を払うか
- 満期保険金を子どもの教育費に使うか
- 契約者を変更するか
- 途中で解約しない約束をするか
口約束だけにすると、数年後に「満期金を誰が受け取るのか」「保険料を払っていなかった」などの問題が起きることがあります。進学時期がまだ先でも、離婚時に扱いを決めておくと安心です。
学資保険と財産分与の関係
学資保険に解約返戻金がある場合、財産としてどうするかを検討する可能性があります。
ただし、「必ず半分に分ける」「必ず子どものものになる」とは限りません。契約者、保険料を払った人、加入時期、夫婦間の合意によって考え方が変わります。
子どもの教育資金として残したい場合は、財産分与の話し合いで、学資保険をどう扱うかをはっきりさせておきましょう。意見がまとまらない場合は、弁護士に確認してください。
離婚後の健康保険と保険証の手続き
離婚後にすぐ困りやすいのが、健康保険と保険証です。配偶者の勤務先の健康保険に扶養で入っていた人は、離婚によって扶養から外れる可能性があります。
配偶者の扶養に入っていた場合
配偶者の扶養から外れたら、次の加入先を確認します。

国民健康保険に加入する場合、手続きは住んでいる市区町村で行います。必要書類や手続き期限は自治体によって異なります。離婚日や転居日が決まったら、早めに市区町村の公式サイトや窓口で確認しましょう。
子どもの健康保険はどちらに入れるか確認する
子どもの健康保険も確認が必要です。
親権者と健康保険の扶養者が必ず同じになるとは限りません。収入、同居状況、加入している健康保険のルールによって扱いが変わることがあります。
たとえば、母親が親権者でも、父親の勤務先の健康保険で子どもを扶養に入れるケースがあります。一方で、母親が勤務先の社会保険に入る場合、母親側の扶養に入れることもあります。
子どもの保険証が使えない期間が出ると、通院時に困ります。持病がある子どもや定期的に通院している子どもがいる場合は、離婚前から勤務先や自治体へ確認しておきましょう。
国民健康保険の手続きは自治体で確認する
国民健康保険の手続きでは、本人確認書類、扶養から外れたことが分かる書類、マイナンバーが分かるものなどが必要になる場合があります。
ただし、必要書類は自治体によって異なります。引っ越しを伴う離婚では、転入・転出の手続きも重なるため、住民票を置く市区町村へ確認してください。
離婚後の健康保険手続きフロー
- 現在の健康保険を確認する
- 配偶者の扶養から外れるか確認する
- 勤務先の健康保険に入れるか確認する
- 入れない場合は国民健康保険を確認する
- 子どもの保険証をどちらで作るか確認する
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離婚後の医療保険・子どもの保障は家計に合わせて見直す
離婚後は、毎月の収入や支出が変わります。家賃、食費、教育費、通信費などを考えると、保険料が重く感じることもあるでしょう。
ただ、保険料を下げるためにすべて解約すると、病気やけがで働けなくなったときに家計が苦しくなる場合があります。まずは、保障の中身を見てから判断してください。
自分の医療保険は収入減少や家計変化に合わせて確認する
医療保険では、次の3つを確認しましょう。
- 入院したときにいくら受け取れるか
- 手術や通院の保障があるか
- 毎月の保険料を払えるか
離婚後に収入が減る場合は、特約を減らす、保障額を下げる、別の保険に見直すなどの方法があります。ただし、健康状態によっては新しい保険に入りにくいこともあります。
今の保険を解約する前に、見直し後の保障がいつから始まるのか、保障されない期間が出ないかを確認しましょう。
子どもの医療保障は途切れないようにする
子どもについては、まず公的な健康保険と自治体の子ども医療費助成を確認します。自治体によって、助成の対象年齢や自己負担額が異なります。
そのうえで、民間の医療保険が必要かを考えます。子どもの医療費助成が手厚い地域では、民間の医療保険を小さく持つ選択肢もあります。一方で、入院時の付き添い費用、差額ベッド代、親の収入減少に備えたい場合は、保障を残す意味があります。
保険料が負担なときの見直し方法
保険料を抑えたいときは、解約以外の方法もあります。

「安くする」だけを目的にすると、困ったときに保障が足りないことがあります。子どもが独立するまでの生活費、病気やけがで働けない期間、死亡時に残したいお金など、具体的な場面を想像して保障を決めましょう。
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離婚時の保険手続きチェックリスト
ここまでの内容を、実際に確認しやすい形にまとめます。まずは保険証券を手元に集めて、ひとつずつ見ていきましょう。
離婚前に確認したいこと

離婚後に行う手続き

相談前に用意するもの
保険会社や保険相談窓口に相談する前に、次のものを準備しておくと話が進みやすくなります。
- 保険証券
- 健康保険証
- 保険料の支払状況が分かるもの
- 家計の見通し
- 子どもの教育費の予定
- 離婚協議書案があればその内容
すべての書類がそろっていなくても、相談はできます。まずは分かる範囲で契約内容を整理してください。
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離婚時の保険でよくある失敗と注意点
離婚時の保険では、急いで判断したことで後から困るケースがあります。特に多いのは、受取人、学資保険、健康保険の手続きに関する見落としです。
受取人を元配偶者のままにしていた
生命保険の受取人は、離婚届を出しても自動で変わるとは限りません。昔の契約ほど、受取人が配偶者のままになっていることがあります。
離婚後の生活を始めたら、できるだけ早く保険証券を確認しましょう。変更したい場合は、契約者から保険会社へ手続きします。
学資保険を急いで解約してしまった
保険料の負担を減らしたくて、学資保険をすぐ解約したくなることもあります。ただ、解約返戻金が少なかったり、将来の教育資金が不足したりする場合があります。
学資保険は、子どもの進学時期に合わせてお金を準備するための保険です。保険料の支払いが厳しい場合でも、契約者変更、減額、払込方法の変更など、他の方法がないか保険会社に確認してから決めましょう。
健康保険の手続きが遅れた
離婚後に配偶者の扶養から外れる場合、次の健康保険の手続きが必要です。手続きが遅れると、病院の窓口で保険証を使えず、いったん全額を支払う場面が出る可能性があります。
自分だけでなく、子どもの保険証も確認しましょう。通院中の子どもがいる場合は、離婚前から準備を進めてください。
契約者変更や保険金受取時の税金を見落とした
保険は、契約者、保険料を払った人、受取人の関係によって、税金の扱いが変わる場合があります。
たとえば、契約者変更をした場合や、将来保険金を受け取る場合に、所得税、相続税、贈与税などが関係することがあります。金額が大きい場合は、税務署や税理士に確認してから手続きを進めると安心です。
判断に迷ったら保険相談で確認する
離婚時の保険は、法律、公的制度、民間保険が重なるため、自分だけで整理しようとすると混乱しやすいものです。
保険相談では、保険証券を見ながら次のような点を確認できます。
- 契約者、被保険者、受取人は誰か
- 保障内容は今の生活に合っているか
- 保険料を払い続けられるか
- 学資保険を残す方法はあるか
- 離婚後の家計に合わせて、どの保障を残すか
相談するときは、離婚前か離婚後か、子どもの有無、現在の保険料、今後の収入見込み、不安なことを伝えると話が進みやすくなります。
ほけんの110番では、保険証券をもとに、現在の契約内容や保障の過不足を一緒に確認できます。すぐに契約を変える必要はありません。まずは「今の保険がどうなっているか」を整理するだけでも、次に何をすればよいか見えやすくなります。
保険相談で確認できること
- 現在の契約内容
- 名義と受取人
- 子どもの保障
- 学資保険の扱い
- 離婚後の家計と保険料
- 今後の見直し候補
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離婚と保険に関するよくある質問(FAQ)
離婚したら生命保険の受取人は自動で変わりますか?
自動では変わりません。変更したい場合は、契約者から保険会社へ受取人変更の手続きをします。
元配偶者が契約者の生命保険はどうなりますか?
契約者は契約内容の変更や解約を行う立場です。元配偶者が契約者の場合、自分では手続きできないことがあります。保障を続けたい場合は、契約者変更ができるか保険会社に確認してください。
離婚したら医療保険も見直すべきですか?
収入や家計が変わる場合は、医療保険の見直しを検討しましょう。ただし、解約すると同じ条件で入り直せない場合があります。今の保障を確認してから、減額や特約整理なども含めて考えてください。
自動車保険の名義変更は必要ですか?
車の所有者や主に運転する人が変わる場合は確認が必要です。自動車保険では、契約者、記名被保険者、車両所有者が関係します。車をどちらが使うか決まったら、保険会社へ連絡しましょう。
離婚後の保険相談はいつ行けばよいですか?
離婚前でも離婚後でも相談できます。できれば、受取人変更や学資保険の解約をする前に相談すると判断しやすくなります。保険証券を持参すると、契約内容を見ながら具体的に確認できます。
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まとめ:離婚時の保険は「確認・整理・相談」の順で進めましょう

離婚時の保険は、焦って解約する前に、まず契約内容を確認してください。生命保険は 受取人・契約者・解約返戻金、学資保険は 教育資金と契約者変更、健康保険は 扶養・保険証・加入先 を見れば、必要な手続きが整理しやすくなります。
次に、残す保障と見直す保障を分けて考えます。子どもの教育費や医療費、自分の収入の変化を踏まえて、毎月払える保険料に調整しましょう。
判断に迷う場合は、保険証券を用意して保険会社や保険相談窓口へ確認してください。ひとつずつ整理すれば、離婚後の生活に合った保障を選びやすくなります。
参考文献
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